IPPAの世界会議では多くの利用事例も発表されました
Ⅰ、コーチング
Evidence-based Coaching(実証ベースのコーチング)がポジティブ心理学的なコーチングです。オーストラリアのAnthony Grant教授がコーチングの成果や方法についてのデータを示しました。
・ プロコーチと一般社内コーチと比較するとプロのほうがはるかに効果をだす
・ コーチングにソリューションフォーカスと認知行動を組み合わせて取り入れると効果が大きい。
Ⅱ、AI(Appreciative Inquiry)
AIもポジティブ心理学を実践する手法です。
David Cooperrider教授はAIで大規模な組織変革を進めた成果を発表しました。
多くの事例の中でも印象に残ったのは次の2つです。
・ 国連World Summitでビジネスや産業界のリーダーを集めAIを実施。平和と環境を作り上げるのはビジネス界が中心に進める、という世界トップリーダーによる意思固めを行った
・ イスラエルでアラブとユダヤ人との共同プロジェクトを行い、双方が共同で進める平和な地域社会が出来上がっている。
Ⅲ、現場レベルでの事例
今回の会議ではPoster Sessionというのが設けられました。
参加者がポスターを張り、説明するブースです。
ポジティブ心理学の研究成果と活用について200人を越す人々から実績が報告されました。
・ IBMやヒューレットパッカードで戦略立案時のポジティブ心理学適用実績、
・ プロジェクトマネジメントにポジティブ心理学を活用した事例
・ リーダーシップの教育に「楽観・悲観」を含めたポジティブ心理学の考え方をとりいれ、成果を挙げた事例
・ ポルトガルでは政府よりの資金を得て、極貧の子供たちへのポジティブ心理学を使い働く気持・学ぶ気持を促進した事例
・ 他にも、キャリア開発に使った事例、組織活性化に使った事例など
応用事例で多かったのが強みのプログラム。
・VIA
・ストレングスファインダー
・MBTI
・DiSC
などを利用したアセスメントのあと、絵を書いたり、コラージュを使ったり、即興劇をしたり、それぞれ工夫してポジティブ心理学を活用して楽しい研修や学びの場を作り上げていました。
ポジティブ心理学が幅広く利用されていると身に感じられる会議でした。日本でもこのすばらしさを早く伝えられるようにしたいと自分の使命を感じました。