チクセントミハイは大規模な調査結果から「フロー」が起こるときの目標に関する要素を明確にしています。
それは
- 目標に意味があること
- スキルのレベルとチャレンジのレベルのマッチング
- 達成目標と基準明確化
です。
目標の意味があること
フローの条件の第一は「意味」です。これは、前のセリグマンのML(ミーニングフルライフ)で述べているのでここでは省略します。
スキルレベルとチャレンジレベルのマッチング
フローに必要なポイントはスキルレベルとチャレンジレベルのマッチングです。
上の図をご覧下さい。「フロー」が起こるにはスキルレベルとチャレンジレベルが関係します。スキルに見合った挑戦をするときに人は夢中になり「フロー状態」になります。スキルが高いのに挑戦レベルが低いと「退屈」になり、スキルが低いのに挑戦レベルが高いと「不安」になります。
人はAの状態から業務を始めるとスキルが上がるにしたがって次第に慣れていきBの「退屈」に近づきます。この状態で同じ業務を長く続けるとモチベーションが下がり、夢中になる機会が少なくなります。ここでは刺激が少なくなり業務をしても面白くありません。次の業務を見つけてCの状態にする必要があります。そして、その仕事も継続すると成長しますので、DになったらEの業務をする必要があるのです。ここで、仕事を言わずに業務と記載したのは、仕事の中にいくつもの業務があり、それぞれの業務により難易度がちがうからです。
たとえばシステムの開発者でしたら、コーディング業務(A)を始め熟達してくる(B)と、次にテスト仕様を作る業務(C)に携わる。テスト業務が出来るようになると設計仕様業務(E)をしてみる。
この業務チャレンジレベルの違いが人のやる気を増し、成長を促します。
一つだけ、誤解のないように・・。人は仕事の中でさまざまな業務をこなしています。すべての業務にフローを求める必要はありません。また、会社全体の目標達成上からもそのような仕事ばかりを選ぶことが出来ません。熟達した仕事をすることもあります。また、その機会も多いものです。ここで言いたいのは、全てを「退屈」分野で仕事をするのではなく、いくつかは「フロー」が経験できるチャレンジレベルのものをもって仕事をしましょう、と言うことです。それで、自分を成長させることができるのです。
達成目標と評価尺度の明確化
達成の評価尺度を明確にすることもフローになる要素だ、とチクセントミハイは言っています。目標の達成基準が明確になればなるほど、意欲が大きくなります。分かり易いことは大切なのです。これが無いとどこまでやったらOKかがわからず、もやもや感がフローに入りにくくします。
仕事の目標が明確に与えられない場合もあります。その際は、自分なりに目標を明確にしましょう。そして、上司に目標をこのように設定しましたが、これが出来たらいいですか?と問いかけましょう。上司と合意できたらGOです。担当する人が一番その仕事に詳しいのです。このように問いかけてくれると上司は安心して仕事を任せられます。(受けがよくなりますヨ!!)
マネージャーやリーダーとしてこの理論は参考になります。あなたは、マネジメントをしていますか?それなら、メンバーに仕事を与えるとき、その「意味」を説明していますか?「チャレンジレベル」を考慮していますか?「評価尺度」を明確にしていますか?
このページでは説明を省略しましたが、「意味」はセリグマンもチクセントミハイも言うとおりとても重要な要素です。