ポジティブ心理学関連書籍のご案内

ポジティブ心理学を理解するうえで、基本となるような書籍を中心に紹介していきます。


■『幸福優位の7つの法則』
--仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論--
ショーン・エイカー著、高橋由紀子訳、アスペクト、2011

【Maxの独断おすすめコメント】
この本は、タル・ベン・シャハーの後をついで、ハーバードでポジティブ心理学の授業を受け持ったショーン・エイカーの著作なのです。原題で「仕事で成功とパフォーマンスを促進するポジティブ心理学7つの法則」と副題がついているのですが、仕事にも人生にも両方にポジティブ心理学を使って幸せになる方法を7つ示してくれています。

以下、7つの法則とその説明です。筆者は独特な言葉をつっていますが、わかりやすくするために、ここでは我々がなじんだ言葉に置き換えて7つの法則をお伝えします。ポイントだけ載せておきますので、興味のある方は本を見てください。内容が良いので書きすぎました。長くなりますがお時間のある人はお付き合いください。


法則1.幸福感

ポジティブな考え方と幸せについて書いている。幸福感を持っている人はどんな特徴を示すか。ポジティブ感情が多く幸せであることが、どれほど充実した人生をもたらすかを教えてくれる。もちろん、「ポジティブ心理学」は科学であるから学術研究も交えて説明している。そして、幸せになるための方法も示してくれる。意識して人に親切にする・・・など、いくつも幸せ観をアップする方法を示している


法則2.マインドセット

人は自分の能力を信ずるひとは成功する。仕事に対するポジティブなマインドセットは、パフォーマンスに影響するだけでなく、能力を向上させるのだ。仕事の意味や自他の期待が生き方にどう影響するかも語っている。期待理論やピグマリオン効果も教えてくれている。


法則3.自動思考への挑戦

人は自動的に考える思考のルートが出来ている。多くの人はネガティブなルートをもっており、自動的に働かせる。弁護士の考え方などを参考にネガティブな自動思考をについて解説している。そのあとで、幸福、楽観、感謝などを利用したポジティブな自動思考を訓練する方法を示してくれている。ポジティブな自動思考を習慣化すると人生が変わる。


法則4.再起力(レジリエンス)

逆境や困難から立ち直る道が3つあるという。グルグル回る道・さらに悪くなる道・そして「第3の道」。PTG(Post Traumatic Growth)、立ち直り力、さらに、逆境から成長する力などが「第3の道」だ。認知行動療法のABCDについても触れており、興味深く解説している


法則5.コントロール感

自分をコントロール出来ているという感覚の大事さや、その効用について教えてくれる。脳の感情システムと認知システムの働きを説明し、危機感を感じたり、ストレスを感じると、アドレナリンとストレスホルモンにより、脳が感情系でハイジャックされる。これでは、創造的な仕事ができない。自分自身のコントロール感を正しく持つには、ゾロサークルというシンボルをつかって、ステップ・バイ・ステップで進むことを提案している。


法則6.良い習慣のつくりかた

悪い習慣をどう良い習慣に変えるか、その具体的な方法が20秒ルールだ。悪い習慣はすぐに手のとどかないところへ持っていく。良い習慣を身に着けるためにはすぐにできるように環境を整える。自分が主体的にできるところと、出来ないことを明確に分けて、ゾロサークルを使い、ステップ・バイステップで実行する。良い習慣を作るための、行動改善のヒントが得られる。


法則7.ソーシャルへの投資(仲間の大事さ)

仲間や人間関係の大切さを主張している。仕事ができるようになるには、自分ひとりで集中するとよいと思いがちだが、それは間違っている。仲間を持っている人の方が、いい仕事ができる。ストレスや困難な状況を打破するには仲間が必要だ。レジリエンスの最重要要素のひとつだ。学習の時間、仕事の時間をふやせすことだけでは、より仕事はできない。仲間が大事。仲間が生き残りと繁栄を約束する。

長い紹介を、読んで頂いてありがとうございます。


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■『世界でひとつだけの幸せ』
--ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生 --
マーティン・セリグマン著、小林裕子訳、アスペクト、2004

【Maxの独断おすすめコメント】
ポジティブ心理学の提唱者が書いた本です。
ポジティブ心理学を知るためには、まずは、セリグマンの考えを知っておくことが原点になるでしょう。その本がこれです。いくつかの研修成果もデータとともに取り上げられています。ポジティブ心理学の言っていることが、わかりやすく書かれています。
セリグマンの主張は、発展しています。今はすでに古くなっている理論もありますが、スタート地点を知っておくといいでしょう。



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■『オプティミストはなぜ成功するか』
マーティン・セリグマン著、山村宣子訳、講談社、1994

【Maxの独断おすすめコメント】
セリグマンが「ポジティブ心理学」を提唱したのが1998年で、この本が日本語に翻訳されたのが1994年ですから、ポジティブ心理学と言われる前のセリグマンの本です。楽観と悲観について書かれています。楽観主義で考える人が成功することを心理学の実験で明確にしました。生命保険会社の営業マンは楽観主義のほうがより高い成果をだす、などの企業事例も出ています。楽観の効果と悲観について深く知りたいと思ったら、読んでみることをお勧めします。



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■『つよい子を育てるこころのワクチン―メゲない、キレない、ウツにならないABC思考法』
マーティン・セリグマン著、山村宣子訳、ダイヤモンド社 2003

【Maxの独断おすすめコメント】
日本の本の発売は2003年ですが、原書は1995年で、これもセリグマンがポジティブ心理学を提唱する前の本です。鬱の発病年齢が下がっている。鬱になる子供もいるし、鬱にならない子供もいる。その違いがなぜ起こるのかを、楽観・悲観の観点から説明しています。鬱にならないための「心のワクチン」として対処法を紹介しています。鬱の予防には悲観的な考え方を撃退することを紹介していますが、悲観的な考えを変えるために、ABC思考法として認知行動療法の理論も引用しています。



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■『ハーバードの人生を変える授業』
タル・ベン・シャハー著 成瀬まゆみ訳、大和書房、2010

【Maxの独断おすすめコメント】
ポジティブ心理学の成果と、従来からの心理学、社会学など幅広い視点から、より良い生き方をするためのポイントを示した本です。一週間で一つずつ行動して、習慣化してほしいとう筆者の願いでしょう。54週間でできるように、52のテーマについて考えやワークを紹介しています。一つひとつが幸せに向かっての一歩一歩につながります。




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■『ポジティブ心理学』
島井哲志編、ナカニシヤ出版、2006

【Maxの独断おすすめコメント】
著者の島井先生が編集して、日本で初めてまとめたポジティブ心理学の本です。様々な学者の方が分担して書かれており、内容は学者・研究者向けに固い感じになっています。学術書専門です。学者の方にはお勧めです。主な内容は、ポジティブ心理学とは、ポジティブ心理学と人間性心理学、フロー、幸福感、生きがい、ポジティブ感情と認知、ポジティブな特性(人徳)などです。様々な発見がなされ、変化の激しいポジティブ心理学の世界ですので、初期の理論として学ぶのには適しているでしょう。



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■『ポジティブ心理学入門-幸せを呼ぶ生き方-』
島井哲志著、星和書店、2009

【Maxの独断おすすめコメント】
日本で初めてポジティブ心理学の本をまとめた島井先生が、「ポジティブ心理学」について書いた本です。ポジティブ心理学の主なテーマが取り上げられ、解説されています。幸せ・ポジティブ感情・フロー・楽観と希望・内発的動機づけ・徳・生きる意味などについて、コンパクトに説明されています。一般の方にも読みやすい本です。ポジティブ心理学の全体を俯瞰するにはおすすめです。



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■『実践入門 ポジティブ・サイコロジー「よい生き方」を科学的に考える方法』
クリストファー・ピーターソン著、 宇野カオリ訳、春秋社 2010

【Maxの独断おすすめコメント】
著者は、マーティン・セリグマン、エド・ディエナーなどとならぶ、ポジティブ心理学の大御所の一人です。著者のポジティブ心理学の対すると思いと、主張が書かれています。ポジティブな主観的経験・ポジティブな個人的特性、ポジティブな制度の3つをポジティブ心理学の柱として紹介しています。ポジティブな主観的経験としてポジティブ感情・ポジティブ情動・フロー・幸せの意味・幸せとその測定を紹介しています。ポジティブな個人的特性として、楽観性・希望・強みと徳性・価値観・価値観の測定・興味・能力・ウェルネスなどが解説されています。最後に、ポジティブな制度として対人関係・公平理論・愛着理論・良い制度・社会集団の目録など、かなり専門的なこともわかるように書いてあります。ポジティブ心理学の基本を押さえ終わってから、さらに突っ込んでポジティブ心理学を勉強したい方にはお勧めの本です。

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■『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』
バーバラ・フレドリクソン著、植木理恵・高橋由紀子訳、日本実業出版社、2010

【Maxの独断おすすめコメント】
ポジティブ感情についての研究成果を説明しています。一般の人が読んでわかりやすい本です。著者は数学者と一緒になって研究し、数学モデルからポジティブ感情とネガティブ感情の比率が3:1になると人はイキイキとした状態になることを発見しました。マインドフルネス(心が安らかな状態)についても多くのページを割いています。





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■『「人勢塾」―ポジティブ心理学が人と組織を鍛える』
金井 壽著、小学館、2010

【Maxの独断おすすめコメント】
組織行動、モチベーション、リーダーシップ、キャリアなどを研究されてきた金井先生が、ポジティブ心理学を取り扱った初めての本です。一般社会人を塾生として募集し、多くの講師を招いて実施した、神戸大学のポジティブ心理学講座「人勢塾」を実施しました。その時の講義内容をまとめたものです。わかりやすく、読みやすい本です。





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■『幸せを科学するー心理学からわかったこと』
大石繁宏著、新曜社、2009

【Maxの独断おすすめコメント】
ポジティブ心理学とは一言も書かれていないのですが、ポジティブ心理学の本です。著者はエド・ディエナーに学びました。エド・ディエナーとは米国タイム誌が「幸せ博士」と呼ぶポジティブ心理学の重鎮の一人です。この本の内容も幸せ。文化と幸せ、お金と幸せ、結婚と幸せ、友人関係と幸せ、性格と幸せ、学業成績と幸せなどと、幸せの考え方を述べています。実証データを多く示しており、幸せに関して考える時に、多くの示唆を与えてくれる本です。



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■『フロー体験入門 ― 楽しみと創造の心理学』
M.チクセントミハイ著、 大森 弘訳、世界思想社、2009

【Maxの独断おすすめコメント】
夢中になり・時間を忘れるほど没入するのがフロー体験です。著者のチクセントミハイは、人は遊びの性格を持つ何かをしているときに、ワクワクし、楽しく、有意義に時間を過ごせるという体験をしました。そこから、さらに研究を進め、フローがどのような時におこるのかという条件に付いて書かれています。 また、そのフローを仕事、レジャー、人間関係など、日常生活の上から解説します。自己目的的なパーソナリティを持つ人が、主体的で、やりがいを持ち、内発的動機付けで動く人であることを示し、その人たちがフローを体験する機会が多いことデータで示しています。



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■『人を伸ばす力』
エドワード・デシ著 櫻井茂男訳 新曜社、1999

【Maxの独断おすすめコメント】
ダニエル・ピンクの『モチベーション3.0』のベースはこの本から来ています。 「内発的動機付け」と「外発的動機付け」についての発見をまとめた本です。学者が書いた本ですが、一般の人が読みやすい表現で書かれています。「外発的動機付け」では、長続きするモチベーションが得られない、モチベーションを維持するにはより多くの報酬を与える必要がある、こんな問題点を明確にしました。人は「内発的動機付け」で、自らドライブして動いていることが活動の質が高く、長く期間動機づけられるということをしめしました。「内発的動機付け」の3要素(自己決定・有能感・関係性)を明確にし、「内発的動機付け」が人を突き動かすことを示した本です。数々の実験成果もわかりやすく紹介されています。



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■『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』
ダニエル・ピンク著、大前 研一訳 講談社、2010

【Maxの独断おすすめコメント】
エドワード・デシの内発的動機づけとチクセントミハイのフロー理論、それにポジティブ心理学も取り上げ、新しい時代の動機づけを提唱しています。マクレガーのあめとムチの動機づけと比較し、「内発的動機付け」の環境を作る大切さを説いています。事例も豊富で、わかりやすく書かれています。部下を扱うマネージャーや、人材開発担当者の机の上に、良くおいてある本です。ビジネスマンには好評です。





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■『リーダーシップ・チャレンジ』
ジェームス・クーゼス、バリー・ボズナー著、金井壽宏監訳、海と月社、2010

【Maxの独断おすすめコメント】
ポジティブ心理学を実践すると、このような行動をするリーダーになるのだろうと思います。ポジティブな組織づくりについて、リーダーのすることを具体的に書いています。「5つの指針」「10の実践」などまとめ方もわかりやすく、事例も多く、すぐにマネをしたくなるような手法が、たくさん書かれている本です。人に影響力をあたえ、組織やプロジェクトにリーダーシップを発揮する必要のある人は、実践でご利用ください。





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■『「興味」と「成功」の法則―本当のあなたを仕事に活かそう』
マーカス・バッキンガム、田口俊樹、濱野大道訳、宝島社、2010

【Maxの独断おすすめコメント】
ギャラップ時代から強みを専門にしている著者ですが、強みと仕事などの活動に関係し、著者の様々な主張をコンパクトにわかりやすく説明した本です。強みは自分が一番よく知っている、得意なことが強みではない、そんな著者の主張が書かれています。強みベースの活動の本質を絞り込むにはいい本です。短時間に分かります。DVDとメモパッドもついています。





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■『仕事ストレスで伸びる人の心理学』
サルバトール・マッディ、デボラ・コシャバ著、 山崎康司訳、ダイヤモンド社、2006

【Maxの独断おすすめコメント】
レジリエンスの本です。著者は「ハーディネス」という言葉で困難に打ち勝ち、そこから成長する力について書いています。イリノイ・ベル・テレフォン社における12年に及ぶ調査・研究の成果をベースに、逆境や苦しい時期が自己成長に変わるには、どのような心や考え方が必要かを述べています。困難を乗り越えるために普段から何をしておけばよいか、そんな具体的な行動が分かります。ストレスをポジティブに考え、自己成長するための本です。





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■『Happier―幸福も成功も手にするシークレット・メソッド』
タル・ベン・シャハー、坂本貢一訳、幸福の科学出版、2007

【Maxの独断おすすめコメント】
『ハーバードの人生を変える授業』で有名になった、タル・ベン・シャハーの初めて日本語に翻訳された本です。働く人の視点から見ても、多くの「目からうろこ」を提供してくれます。内容はタルの主張そのものです。わかりやすく書かれています。






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■『最善主義が道を拓く』
タル・ベン・シャハー著、田村源二訳、幸福の科学出版、2009

【Maxの独断おすすめコメント】
タル・ベン・シャハーの2冊目の翻訳本です。完璧主義者と最善主義者について書かれています。もっと金持ちでなければ・・・、もっとできる自分でなければ・・・、なんでも完璧にできなければ・・・、自分はまだまだダメだ・・・、そんな完璧主義で考えている人にはとても役立ちます。「目からうろこ」でしょう。ただし、すでに最善主義者でいる人には、当たり前でインパクトは感じられないかもしれません。




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■『ポジティブ心理学の展開―「強み」とは何か、それをどう伸ばせるか 現代のエスプリ』
堀毛一也編、ぎょうせい、2010

【Maxの独断おすすめコメント】
堀毛先生を中心に、大学でポジティブ心理学に興味をもっている先生方が、主なテーマについて分担しながら書いている本です。ポジティブ感情、ポジティブなパーソナリティ、ポジティブな特性、先進回復力(レジリエンス)、ポジティブな人間関係、ポジティブ心理学と文化、強み・楽観・主観的人生満足度などポジティブ心理学の主要テーマと取り上げています。学者の書いた学者向けの本ですが、ポジティブ心理学に興味のある方は、興味深く読めると思います。




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■『脳にいいことだけをやりなさい』
マーシー・シャイモフ著、茂木健一郎訳、三笠書房、2008

【小澤真理子の独断おすすめコメント】
脳科学者の茂木健一郎さんが監訳している本です。タイトルにあるような脳科学の本では無いのですが、ポジティブ心理学を元に、頭の働かせ次第で誰でも「幸せ」を感じることが出来る7つの手法を解説し、さらに実践するための具体的な方法も紹介しています。自分自身がポジティブに変化し、ハッピーになれるためのポイントなど図解で説明されているのでとても読みやすい本です。




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■『さあ、才能に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす』
マーカス・バッキンガム、ドナルド・クリフトン著、 田口俊樹訳、日本経済新聞出版社、2001

【市川光生の独断おすすめコメント】
自分の「強み」を見出すきっかけとなる5つの「才能」を知るためのテストツール「ストレングス・ファインダー」を世に知らしめた本です。本1冊ごとについているWEBへのアクセスキーでストレングス・ファインダーを受けると34の才能のうち、特に強く反応した5つの才能がわかり、全34の才能の特徴や活用法についても紹介されています。ちなみに、ストレングス・ファインダーはポジティブ心理学の理論に基づいて開発されていてるのですが、後方の参考資料に書いてあるためあまり知られておりません。ポジティブ心理学において「強み」を学ぶ上で、必須の本といえましょう。


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■『StrengthsFinder 2.0: By the New York Times Bestselling Author of Wellbeing』
Tom Rath著、Gallup Pr、2007

【市川光生の独断おすすめコメント】
ストレングス・ファインダーがバージョンアップしてストレングス・ファインダー2.0がリリースされました。実施するためにはストレングス・ファインダー2.0用のアクセスキーが必要で、この本を購入すると1キー得ることができます。ストレングス・ファインダー2.0そのものは日本語でテストを受けることができますがレポートは英語です。またこの本では、新たに全34の才能の活用アドバイス(10項目)と、その才能を持った人と仕事をするときのアドバイス(3項目)が紹介されています。日本語版の予定はないようですが、自分のTOP5だけでも読む価値はあると思います。


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■『最高の成果を生み出す 6つのステップ --仕事で“強み”を発揮する法--』
マーカス・バッキンガム著、加賀山卓朗訳、日本経済新聞出版社 2008

【市川光生の独断おすすめコメント】
「強み」を本気で「仕事に活かす」ための具体的な方法が6つのステップで紹介されています。一人ひとりの「強み」はユニークであり、それはストレングス・ファインダーの34種類の組み合わせではなく、日々の仕事の中にあります。「情報を収集し、まとめてきちんとした報告書を作る」といった具体的な活動として「強み」が現れるのです。多くの活動の中から、「成功」「本能」「成長」「必要性」という視点から自分の強み見い出し活用する方法が紹介されています。本気で「強み」を活用したい方にはオススメです。ちなみに本書では「弱み」の見つけ方と対処方法も記されています。


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■『ポジティブ・チェンジ--主体性と組織力を高めるAI--』
ダイアナ・ホイットニー、アマンダ・トロステンブルーム著、(株)ヒューマンバリュー訳、 ヒューマンバリュー、2006

【Maxの独断おすすめコメント】
ポジティブ心理学の実践はAIになります。AIについて詳しく書かれている本です。 AIには、大きな組織を動かすものから、個人に適用するまで、様々な形があることを示しています。準備の大切さにも触れ、組織改革の進めかたをステップを追って説明しています。様々な実施方法があることを何度も繰り返しながら、その典型的な形として、4Dサイクルを詳しく説明しています。4Dサイクルとは 以下の4つ。AIの基本プロセスです。

1)Discovery (強みの発見)
2) Dram (夢-ビジョンと未来の声)
3)Design(バリューと理想を言葉であらわす)
4)Destiny(計画をたて、実行する)

ほかに、AIの起源として、ポジティブ心理学との関係や、AIの考え方のベースになっている8つの原理を詳細に説明しています。翻訳が固いですが、本気になってAIを分かろうとする人には、役立つ本です。


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■『AI最高の瞬間を引き出す組織開発--未来志向の“問いかけ”が会社を救う--』
デイビッド・クーパーライダー、ダイアナ・ホイットニー著、市瀬博基訳、本間正人監訳、PHP研究所、2006

【Maxの独断おすすめコメント】
ポジティブ心理学を具体的に組織に展開する方法がAIです。AIを分かりやすく説明しています。組織の強みに焦点をあて、潜在力を引き出す組織開発のパワフルな方法として紹介しています。全米のブリテッシュ・エアウイズが導入して、業績を良くした事例が詳しく紹介されているだけでなく、多くの事例が効果的に紹介されています。組織開発をするための、経営トップの役割・AIコンサルタントの役割・コアチームの役割・参加者の役割を明確に説明しています。もちろん、4Dサイクルもわかりやすく説明しています。AIの入門書として最適です。




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■『フローカンパニー--飛躍し続ける個人と組織に生まれ変わる法則--』
辻 秀一著、ビジネス社、2008

【Maxの独断おすすめコメント】
チクセントミハイのフロー理論に著者の経験を加えて書かれています。チクセントミハイの理論を前半で扱い、これを実現するためにスポーツ心理学とスポーツ医学の分野での経験をベースに、企業向けに書いてあります。活性化する組織づくりには、役立つことが書かれ、ワークも一部紹介されていて読みやすい本です。





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■『How of Happiness a New Approach to Getting the Life You Want』
Sonja Lyubomirsky著、Penguin Books、2008

【Maxの独断おすすめコメント】
ポジティブ心理学を毎日の生活に活かすためのヒントがたくさん書いてあります。この本では、単なる幸せ指南書ではなく、幸せになるためのアプローチを、ポジティブ心理学の科学的な「実証」に基づいて紹介してくれています。始めに、今までの固定観念や幸せの神話を壊して、持続的な真の幸せを求めることが、いかに大切かを説明しています。研究の結果、幸せをもたらす要因を、次のように分けることができることを著者が明確にしました。

 ・既定値(幼い頃に得たもの)・・・50%
 ・自分の意図的な行動・・・40%
 ・自分をとりまく環境・境遇・・・10%

著者は、自分をとりまく環境・境遇(貧乏・学歴・年齢・住んでいる家など)は、たったの10%しか幸せに寄与しないと言っています。幼いころに得たものが50%はあるものの、40%は自分の意図的な行動変えれば幸せなれる、だから行動を変えて、幸せになろうよ、と主張しています。

ハピネスアクティビティとして、学問で実証された10の「幸せになる具体的な行動」を示しています。それは、次の10行動です。
 (1).感謝する
 (2).楽観的に考える
 (3).オーバーシンキングをやめる
 (4).親切にしてあげる
 (5).人間関係を充実する
 (6).逆境対応戦略をつくる
 (7).許すことを学ぶ
 (8).フロー経験を増やす
 (9).喜びを味わう
 (10).ゴールを達成する


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■『Strengths-Based Leadership: Great Leaders,Teams,and Why People Follow』
Tom Ruth、Barry Conchie著、Gallup Press, 2008

【Maxの独断おすすめコメント】
最初に、リーダーが強みを使っている組織では73%の人が高いエンゲージメント(組織に対する絆・モチベーション)を示しているのに対し、リーダーが強みに関心のない組織では9%の人しかエンゲージメントを感じていないというショッキングなデータが示されます。

そのあとで、リーダーシップの強みが次の4つのドメイン別にあることを示し詳細を説明します。4つのドメインは次の通りです。

1.Executing(実行)
2.Influencing(影響力)
3.Relationship building(関係性構築)
4.Strategic Thinking<戦略志向)

次のパートでは、フォロアーがついてくる理由について述べています。フォロアーの4つのニーズを次のように挙げています。

(1)信頼
(2)思いやり
(3)安定性
(4)希望

 あとは追記になるのですが、追記としてはやたらページ数が多いのです。しかし、役立つページです。ストレングスファインダーの34の強みについて、自分がもっている強みの視点で、具体的になすべきことやアドバイスを書いています。

(1)信頼を築くには
(2)思いやりを示すには
(3)安定性を与えるには
(4)希望を与えるには

それに付け加えて、それぞれの34の強みを持っている人(部下など)をリードするには、どうしたらよいかを示しています。最後に、ストレングスファインダーのツールについての説明などがあります。


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■『Wellbeing: The Five Essential Elements』
Tom Ruth、Jim Harter著、Gallup Press, 2010

【Maxの独断おすすめコメント】
何が人生を意味あるものにしているだろうか、という問いかけをなげ、そのあとで5つのWellbeing(=より良い生き方)を示しています。その次の5つについての豊かさです

1.キャリア
2.人の関係性
3.冨と金銭
4.身体的健康度
5.コミュニティ

この5つについて、統計から発見したことが書かれています。そのあとの書籍の半分のページはデータからの発見事項に充てられています。よい生き方をしている人(Wellbeingの値が高い人)は病気休暇が少ない。楽しい時の時間の使い方、一緒に居たい人・居たくない人(もっとも一緒に居たくない人は上司)など、世界から集めたデータを使って説明をしています。

世界の国別Wellbeingのランキングが一覧表で載っています。日本は130ヵ国のうち何位でしょうか。53位でした。アジア太平洋地域の中でも12位。カザフスタン、パキスタンやマレーシアより日本の方がWellbeing度は低いのです。これを見てショックを受けました。25%しかイキイキして、仕事や生活をしている人がいないのが日本です。

【Maxの思い】
苦しみながら、仕事をしている、そんな日本を変えたいのです。そのために、ポジティブ心理学や関連手法を組織で働いている人に伝えたくなります。