第34回PPAL(ポジティブ心理学応用研究会)参加レポート(2014/9/13)

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水, 09/24/2014 - 09:01


第34回PPAL(Positive Psychology Application Laboratory)レポート
報告者:ポジテイブイノベーションセンター理事・福井修己
開催日:2014年9月13日(土曜) 13時30分~16時45分
場所:港区六本木1-8-7 ㈱レゼリア会議室
    
テーマ:
①ワークショップ「人生に違いを作る質問の仕方」
②エドディエナーの「AIMの法則」の紹介
   
  
   
Ⅰ:チェックイン
   
末吉理事のファシリテーションで、4人~5人に分かれたグループごとにお互いに自己紹介し、和やかな空気とともにスタートしました
 
    
Ⅱ:「人生に違いをつくる質問のしかた」のワークショップ
次に東京大学大学院医学系研究科の関屋裕希さん(心理学博士・臨床心理士)のファシリテーションで、本日のメインテーマである「人生に違いをつくる質問のしかた」のワークショップが始まりました。
  
   
 
   
 
「質問とは何だろう」
    
まず、今日の朝から今までの、自分自身に対する質問、問いかけ、自分以外の人への質問、問いかけを思いつくままにできるだけたくさん書き出していきました。半日でも結構たくさんの問いかけに満ちていることに気づきました。やらなければいけないことの確認であったり、状況に対する疑問であったり、好奇心から発せられるものだったり・・・。まさに人は常に自分や周りに問いかけながら生きています。だからどんな質問をしているかが、その人の生き方に大きな影響を及ぼしていきます。質問し、選択し、行動し、その繰り返しで毎日生活しています。自分自身にどんな質問を投げかけているかが人生の分かれ道になっていることを知りました
   
「質問の種類」
   
今回は学習者の質問と批判者の質問の2種類があることが語られました。ここで感情をネガテイブな方向へ引き込んでいく批判者の質問を太田理事(デーモン風いでたち)が、末吉理事に投げかけていくという寸劇を二人で演じ、会場に笑いを引き起こしていました。
そのあと、全員がペアになって順番に批判者モードと学習者モードを体験してみました。批判者質問とは、「誰のせい?」「どうしてうまくいかない?」「私の何がいけない?」などで、ネガテイブ感情を引き出します。学習者質問とは「何が起きた?」「何が可能?」「何が学べる?」などで、ポジテイブ感情を引き出します。身体や気持ちがどんな状態になるか。批判者モードでは、うつむき加減で、暗く、逃避的、絶望的になり、学習者モードでは前向きで解決 志向になり希望が湧いてくる、ということを体験しました。
   
「学習者の質問へのスイッチングの方法」
   
我々は普段、批判者モードになりがちですが、どうすれば学習者への道へ進めるかが、ここでのテーマです。まず、個人ワークとして、誰かとまずい状況になった出来事を思い出し、その状況を書き出しました。次にその出来事をABCCプロセス(気づき、深呼吸、好奇心、選択)で見直して、そのうえで悪い状況を変化させるスイッチングクエスチョンや学習者の質問としてどんな問いかけができそうかを書き出していきました。それを踏まえたうえで、どんな行動をとることができそうかを次に書き出していきました。こうしたプロセスを踏むことによって自分が今批判者モードになっていないか、というサインに気づき、スイッチングクエスチョンを活用し、そこから抜け出し、学習者モードへと変化する。そのプロセスを体験しました。
  
   
 
  
   
「学習者の質問を日常生活に取り入れる」
   
このワークの最後に、実生活で「質問の仕方」をどのように活かすか、アイデアや工夫を書き出しチームでシェアーしました。エネルギ―の出る質問や、創造的になれるような質問を普段からメモなどしておく、様々な場面で意識的に自分に声を出して学習者の質問をする、困難な状況の時、ポジテイブなキャラクターになりきって自分や周りに問いかけていく、などなど、とにかく実践していくための様々なアイデアが出てきました。
   
以上で関屋さんの分かりやすく和やかなファシリテーション、ワークショップは終了しました。それぞれのワークのなかで、ペアやグループでシェアーしながら、たくさんの発見や気づきを得ることができました。
  
   
Ⅲ「前向きな生き方を生み出すAIMの法則」の解説
   
最後は、渡辺代表理事から、エドディエナーのAIMの法則についての説明がありました。Attention、何に焦点を当てるか、Interpretation,どのように解釈するか、Memory、何を思い出すかという3つのプロセスを意識することで前向きな生き方を生み出すことができるというわかりやすい内容でした。心理学で「注意」に関する実験のなかで有名な「見落とし」の実験(バスケットボールとゴリラ)Simons&Chabrisの新しいバージョンなども見ながら、楽しく説明が続きました。
  
   
 
  
   
Attentionにおいて、我々は問題に焦点を当てやすい傾向がありますが、ポジティブな情報、よいところに焦点を当ててみるようにすることでポジティブな考えを持つことができるという点は学習者の質問ともつながります。Interpretationのいい意味に解釈する、Memoryのうまくできたこと楽しかったことを思い出す、なども学習者の質問につながります。
   
   
前向きな質問によって、前向きな焦点の当て方や、前向きな物の見方、前向きなこころの在り方へと変わっていく、ということを体験や説明から楽しく気づかされた半日のワークショップでした。
   
以上 
  
  
  
■アンケートからみる参加者の声
   
・今まで頭の中で勝手にやっていた考え方を体系的に学ぶことができた。問題が起きても学習者的質問をすることで前向きになれることが分かりました。
    
・心の中で質問を繰り返す中で、自分への質問と他人への質問がある→他人への質問、なるべく良い質問を増やしたい。「学習者」というキーワードが気に入りました。自分が学習者になれているか?と自分に問いかけていきたいです。
    
・質問の仕方に「幸せ」に近づく学習者のやり方とマイナス思考に陥る批判者があることがわかりました。まや、落ち込んでも立ち直れるように良いところに焦点をあて、よく解釈し、良いことを思い出すように心がけようと思いました。
・グループワークで話し合ったり、実例にそくして演習したりと頭で考えるだけではなく、身につくような学習の仕方だったので、とても楽しかったし、役に立ちました。
  
・大変分かりやすい説明とワークショップ、および特色ある貴重な講話に大変感謝です。
   
・自分は心の状態がすぐ顔に出てしまい、怒りや退屈が相手にすぐ伝わってしまいますが、そのような相手にも興味をもって接することができそうです。