フロー理論(Theory of Flow)
<定義>
高度に没頭する活動に伴う精神的な状態
<概要>
・夢中になって本を読んだり、携帯でメールに返信したりしていると、時間を忘れてしまったり、電車で乗り過ごしてしまうことなどがないだろうか?あまりにも集中したために周りに意識が回らず、時間が経つのも忘れるような経験である。このような体験をフローという。
「フロー」とは、何かをしているときに意識を集中し、時間的な感覚が無くなるほど、夢中で没頭している状態である。その時に対象をコントロールできているという意識を持ち、終了後に充実感を感じる。
・「フロー理論」はミハイ・チクセントミハイが発表した。チクセントミハイは1960年代に大人の遊びの研究をしていたが、大人は何かをしているときに、とても楽しく、わくわくして、夢中になって有意義な時間を過ごしている体験をしていることがあることが気になった。チクセントミハイ自身は山登り、チェス、絵画を描くことなどで同じような経験をしていた。この現象に強い興味をもち、これを突きとめようと思った。そんなことからフローの研究が始まった。フローになって仕事をしているときは一生懸命になり本人は充実している。また、マネジメントの視点から見るとメンバーが最大の生産性をあげてくれているときでもある。
・ フローになる要素
では、どのようにしたら自分も部下もフローになるのだろうか?どのような要素が必要なのであろうか?特に仕事場でのフローになる条件について考えてみる。
まず、第一にチャレンジである。自分の持っているスキルや能力をストレッチするような適切なレベルのチャレンジがフローを起こす。
チクセントミハイのこの図はチャレンジレベルと能力の関係を分かりやすく示している。横軸のスキルレベルと縦軸のチャレンジレベルの関係を見てほしい。スキルが高くて、チャレンジレベルが低いこと。つまり、簡単にすぐにできることでは人は退屈になってしまう。また、チャレンジのレベルが高すぎて、手持ちのスキルや能力では追いつかないようなことでは不安になってしまう。どちらも、フローになるほど思い切り打ちこむことが出来ない。頑張ればできるという適切なレベルのチャレンジがフローを呼ぶ。手持ちのスキルよりややチャレンジが必要なレベルだ。