第31回PPAL(ポジティブ心理学応用研究会)参加レポート(2014/3/22)
土, 03/29/2014 - 00:06
今年2回目のPPAL(ポジティブ心理学応用研究会)が、3月22日に開催されました。
3月のPPALテーマは『幸せを導く人間関係とは』。
人間関係が幸福に関係することは経験的に理解していました。ただそれは漠然とした理解であり、実際にどんな関係が幸福と関連するのかよくわかりません。今回のPPALそれをポジティブ心理学での研究から明確にする内容でした。
はじめに、「ポジティブ心理学概論」と「Relationship 幸せをつくる人間関係」というタイトルでMax渡辺(一般社団法人 ポジティブイノベーションセンター 代表理事)による講義がありました。
人間関係が良くなるとお互いが知恵を出し合い、新たな行動や変化をつくりあげることにより、高い成果が生まれることが強調されました。ミシガン大学におけるポジティブ心理学の研究によると、人間関係がいいチームや組織は「高い成果」を出しているのです。スタンドフォード大学の研究では、思いやりや利他の行為などが、ポジティブ感情を生み、生産性の高い職場をつくることが分かっています。さらに、良い人間関係が成果を上げる事例として、ポジティブ心理学を使って高い業績を上げている靴のネット通販会社であるザッポスや、当日参加されていた製薬会社のマネージャーの事例が紹介されました。
続いて、井上有史さん、小野真弓さんのファシリテートによる「幸せな人間関係」というテーマでグループセッションが行われました。
私自身、お客様から人間関係の悩みをきくことが多いですが、その多くが職場や学校での人間関係、特に上司・同僚との関係で悩んでいる方が多いと感じます。このセッションでは不幸な関係ではなく、「幸せ」な関係とはどんな関係なのか。「幸せ」に着目して、それがどういう関係なのか、どうすればそういう関係が構築できるのか。そのことについて話し合いました。
私が参加したグループでは、「相手に意識を向ける時間」、「相手が望むことを知る」、「仲間がいる共通の目的」といったキーワードがあがりました。「俺が」「私が」というような自己中心の視点では幸せな関係性をつくることは難しい。相手に興味を持ち、相手の視点を知ろうとする中で相手の望むことが少しずつ見えてくる。そのような行動から心が通う幸せな関係性をつくることができるのではないかと、私は思いました。
他のグループでは、「価値観を尊重する」「場・時間などの共有」「無条件の肯定」「弱い自分を見せる自己開示」「出会いは縁、タイミング」といったキーワードがあがりました。みなさん、発表するときも、それを聞いているときも楽しそうな表情をされていたのが印象的でした。
普段は「幸せと人間関係」をテーマとした内容は話せる機会は多くありません。3時間半も幸せな人間関係を作るには何をするか、と考える貴重な場を共有でき、充実感を得ることができました。
文責:PPAL事務局 市川光生