分科会1:『自分ゴト化、みんなゴト化 ~JR西日本における組織活性化実践の試行錯誤と悪戦苦闘~』

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西日本旅客鉄道株式会社 鉄道本部CS推進部長

長谷川勝洋

1990年の入社後、学生野球監督、鉄道の現場長(駅長)、グループ会社経営(ゴルフ場社長、駅ナカ飲食業事業部長)などを担当。
2012年に福知山線列車事故、情報漏えい問題を受け、風土の変革推進を担う部署(考動推進室、のちにCSR考動推進室)に着任、組織開発の考え方に出会う。
2016年より近畿圏を統括する支社の次長として現場への働きかけを実践し、昨年現在のCS推進部に着任。

一貫してメンバーの動機付け、組織の活性化を社会人としてのテーマ、使命としてきた。
「遊びは真剣に、仕事には遊び心を!」をモットーとし、
「明るく元気、前向き素直に、ちょっとアホ!」でありたいと考えています。

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「仕事には厳しく、人にはあたたかい」という職場を増やし、会社の文化にしていきたい。

  • メンバーが他責に逃げず、徹底した当事者意識で取り組む「自分ゴト化」。
  • メンバーのベクトルを合わせ、チームとしてワーク(機能)する「みんなゴト化」。

仕事を通じて社会人として成長できる、イキイキ職場をつくるには、未来志向で多くの対話が気楽にまじめに交わされていることが必要。
そんな思いで取り組みを進めています。

企業内組織開発担当者、組織開発コンサルタントの方からアドバイス頂ければ幸いです。

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大事故を起こした、縦割りで風通しの悪い大企業における組織開発の実践事例です。

  • 社内インナーコンサルとして働きかけ、仕組みづくりを模索した立場
  • その後、実務責任者(支社次長)として、自らが当事者として実践してきた立場
  • 立ち位置が異なり、利害の一致しない、多くの組織のメンバーのベクトルを合わせようとする本社責任者としての立場

など、それぞれの立場での悪戦苦闘をご紹介できれば、と思います。

  • 理解者が少ないなかでどのように進めてきたか、
  • 本当の目的を見失わずに組織に働きかけることの大切さ、
  • 答えのない問いに向き合い、カオスを恐れず、未来形で考えること

などをお伝えできれば幸いです。

 

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当社の取り組み全体を流れで概括すると、以下のように推移してきました。

2012年頃~: “当社らしさ”を考え、共有したい価値観を探求する「らしさミーティング」
2013年頃~:会社目標や職場目標の“腹オチ”を目的とした「自分ゴト化ミーティング」
2014年頃~:職場方針やスローガンをメンバーが参画して策定する「自分ゴトの方針策定ミーティング」

各ミーティングのベースはAIの世界観であり、基本的に4Dサイクルの前半を中心に構成しています。

対話を通じて、職場や会社の方針は日々の仕事には関係がないもの、という認識から、自分たちで考え、言語化した「目指す姿」を共有することで、会社方針や職場目標の自分ゴト化が進む、という変化が多く見られました。
何より、ありたい未来を考えることでメンバーが元気になり、チームにポジティブなエネルギーが生まれるのを実感してきました。
鉄道業は、愚直に使命を果たし当たり前を守る、という地道な仕事であり、過去の失敗から学び、現在出来ていないことへの対策を積み重ねることで、安全を担保してきました。
特にわが社は大事故をひき起こした加害企業であり、未来を描く、ポジティブに思考する、ということが非常に苦手な(というより許されない雰囲気の)組織です。
そんな背景もあり、対話の場は参加者には概ね好評で、新鮮に受けとめてもらえたように思います。

勿論、懐疑的な見方や否定的な意見も多く、体系だった展開には至っていませんし、継続してサイクルを回す、という状況が定着しているわけでもありません。
方法論ではなく、その哲学・世界観をいかに伝えるか、対話の場と日常の仕事との接続をどう図るか、日常の仕事を通じて社員を動機付け、職場を元気にするにはどうすれば良いのか…。
遅々とした歩みでありスピードは上げたいが、そのために、強制的に“やらせる活動”にはしたくない。
そんな試行錯誤、悪銭苦闘のプロセスをお話ししできれば、と思います。

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